Laboratory for Sensory Circuit Formation
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 感覚神経回路形成研究チーム(Laboratory for Sensory Circuit Formation; 今井 猛 チームリーダー)は、 理化学研究所 多細胞システム形成研究センターの研究室です。 われわれヒトなどの哺乳類は、どのようにして複雑で秩序だった脳を作り上げているのでしょうか? 我々の精神活動の基盤である神経回路ネットワークは、発達の過程でどのように出現するのでしょうか? 当研究室ではマウスの嗅覚系をモデル系として、発生過程で機能的な神経回路がつくられるしくみを研究しています。

        

 研究員や大学院生を随時募集しています。 研究員の公募は 理研CDBの求人ページ にて行いますが、相談は随時受け付けています。 また、当研究室では、理化学研究所の基礎科学特別研究員制度や 日本学術振興会の特別研究員制度による研究員の受入も可能です。 連携大学院制度 を利用して京都大学・生命科学研究科(修士・博士)から大学院生の受入も行っています。 現在2016年度から参加される方を募集しています。特に神経生理学、分子・細胞生物学、数理科学分野からの応募を歓迎します。いずれの場合も、まずはメールにて、チームリーダーの今井までお問い合わせ下さい。 研究室の訪問も歓迎いたします。

  研究室紹介の動画こちら(YouTube)

匂い情報を表現する神経回路の動作原理と形成原理

 我々の脳は、五感を通して様々な外界の情報を受け取っています。これを支えているのが、脳に作られる「神経地図」です。 視覚や嗅覚といった感覚情報は、脳において「神経地図」として2次元的に表現されます。 例えば、網膜に映し出された視覚情報は、脳の視覚を司る領域に反転画像として2次元的に表示されます。 一方、匂いの情報は鼻腔内の嗅上皮において約1000種類の匂いセンサー(嗅神経細胞)によって検出されており、その情報は脳の嗅球と呼ばれる領域において、1000番地からなる神経地図として表現されます(図)。 では、この神経地図はどのように感覚情報を処理し、脳はどのようにしてこの地図を読み取っているのでしょうか? 我々は、嗅球のin vivo 2光子カルシウムイメージングや光遺伝学を駆使して、嗅球で匂い情報がどのように処理され、識別しているのかという問題に取り組んでいます。
  また、こうした匂い地図がつくられるためには、末梢で感覚情報を受け取った嗅神経細胞の軸索や、嗅球で演算を行う僧帽・房飾細胞の樹状突起が嗅球内で正しく配線する必要があります。 その例えとして、1000個のコンセントとソケットを想像してみてください。 匂い情報を混線することなく脳に伝達するためには、1000個のコンセントとソケットが正確に1対1で接続しなければなりません。 こうした軸索や樹状突起の配線は、主に胎児期から生後しばらくの間に生じるのですが、いったいどのなメカニズムでこれほど多様な配線が正確に決まるのでしょうか?

末梢からの入力に依存して生じる機能的な神経回路

 近年、分子遺伝学・発生学の発展に伴い、決定論的な神経接続の分子機構についてはかなり解明されてきました。 しかしながら、我々哺乳類の神経回路形成のいくつかの局面は決定論的ではなく、「鍵と鍵穴」的に接続が決まっているわけではありません。 膨大な数の神経細胞が存在する哺乳類の脳でどのように特異的な神経接続が保障されているのか、例えば皮質における特異的な神経回路が末梢入力に依存してつくられるしくみについては、 依然としてよく分かっていません。当研究チームは、哺乳類の中枢神経系が末梢からの入力に依存して構築されるしくみの解明に取り組んでいます。 これまでの研究で、嗅覚地図が嗅覚受容体からの入力に依存して作られるメカニズムを解明してきました(論文参照)。 現在は嗅球の回路に着目して、機能的な高次神経回路がつくられるしくみに興味を持っています(英文総説)。 特に、僧帽・房飾細胞の軸索・樹状突起が末梢入力に対応して正確に接続するしくみの解明に取り組んでいます。 単なる細胞集団の中に、「脳らしい」機能的なネットワーク構造が発達過程でどのように作られるのかを知りたいと考えています。

神経回路を見る、操る

 我々は、マウス遺伝学の他にも、一細胞トランスクリプトーム解析によって神経細胞の個性を調べたり、 in vivo 2光子イメージングによって「生きた」マウスの神経細胞の形態変化や神経活動を調べたり、光遺伝学を用いて操作したり、 と神経細胞の個性と回路、機能、発生をつなぐことに力を入れています。 単に神経細胞の形態を見るだけでなく、2光子カルシウムイメージングや光遺伝学といった、機能的な解析を通して神経回路の成り立ちを理解しよう と考えています。 また、複雑な脳の回路や機能を解明する上では、そのための技術開発も重要です。 我々は神経回路を自在に操るための新奇遺伝学ツールや可視化技術の開発にも取り組んでいます。
 たとえば、最近我々が独自に開発した組織透明化試薬SeeDB(右図)を使うと、極めて簡便かつ高精度で、 脳の広い領域に亘って(究極的には全脳レベルで)単一神経細胞の樹状突起・軸索を追跡が可能になり、個々の神経細胞の情報処理をwiringレベルで理解することができるようになりつつあります。 こうした新しいアプローチによって、神経回路をミクロスケールからマクロスケールまで俯瞰することが出来るようになり、これまで分からなかった面白い問題が見えてきます。

SeeDB Resources

 簡便で形態を損なわない組織透明化試薬SeeDB(Nature Neuroscience, 2013)に関する詳細はSeeDB Resourcesのページをご覧ください。 詳しいプロトコルやTIPSなども掲載しています。日本語の解説とプロトコル(簡易版)はこちら
SeeDBの動画は → [サイエンスチャンネル(YouTube)] [YouTube(1)] [YouTube(2)] [YouTube(3)] [SeeDB Resources (Videos)]

[NEW] 高解像イメージングのための改良版SeeDB2(Cell Reports, 2016)の情報もSeeDB Resourcesにアップしました。超解像顕微鏡と組み合わせ、深部でシナプス形態まで鮮明に可視化することができます。
理研プレスリリースはこちら(動画あり)
SeeDB2の動画は → [YouTube(1)] [YouTube(2)] [YouTube(3)]

主要論文


チームリーダー(TL)

今井 猛 (理博)
Takeshi Imai, Ph.D.
プロフィールはこちら
メール: imai[at]cdb.riken.jp


連絡先:

今井 猛 (理博)
理化学研究所 多細胞システム形成研究センター(理研CDB)
感覚神経回路形成研究チーム
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3
電話: 078-306-3376
Fax: 078-306-3381

地図は こちら
研究室は研究棟Cの5階N504-505にあります( こちら ) 外部から訪問の方は、A棟1Fの守衛室でカードを受け取ってからいらして下さい。


NEWS:

  • 2015.3.24.   3名のインターン生と、4月から臨床に戻る村井さんの送別会をしました。
      
  • 2016.3.23.   柯さんのSeeDB2論文がCell Reports誌に出ました。おめでとうございます。理研プレスリリースはこちら(動画あり)3/22号の表紙に掲載されました。
      Cell ReportsのMost Read paperになりました。読売新聞、中日新聞、神戸新聞等に掲載されました。SeeDB Resourcesに詳細なプロトコルを掲載しています。
      
  • 2016.2.19.   当ラボMarcusのエッセイと村井さんのエッセイ(2/19紙面)が産経新聞に掲載されました。
  • 2016.2.15.   2017年度基礎特研応募情報が公開されています。登録締切は4/15ですので相談は早めにお願いします。 京都大学生命科学研究科の入試説明会は4/2に京都大学で、CDBの連携大学院説明会は4/9に神戸理研CDBで行います。
  • 2016.2.8.   学部生の尾崎さん、木村さん、村田さんが春休みの間インターン生として研究室に参加します。歓迎会を行いました。
  • 2015.12.10.   今井TLが蘇州のCSH Asia meetingで講演しました。
  • 2015.11.13.   退職する坂下さんの送別会を行いました。谷山さんが後任に着任しました。
  • 2015.10.20.   藤本さんとMarcusがSFN@シカゴで発表しました。
  • 2015.8.28.   研究員のMarcus Leiweさんのエッセイが産経新聞に掲載されました。
  • 2015.8.7.   夏の生命科学研究インターンシップが終了しました。当ラボの参加者の皆さんが研究発表会で最優秀賞を受賞しました。
      
  • 2015.4.25.   生化学誌にミニレビューを発表しました。
      
  • 2015.4.11.   理研CDB連携大学院説明会 当日の資料
      京都大学大学院生命科学研究科 修士課程募集要領
      
  • 2015.4.7.   今井TLがH27年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。
      
  • 2015.2.5.   今井TLがJSTさきがけの終了報告会で発表しました。
      
  • 2015.1.15.   坂下さん(テクニカルスタッフ)が加わりました。


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Last updated March 23, 2016.